Top 13 eLearning Trends for 2015
(UPSIDE LEARNING BLOG 2015/3/11 Pranjalee Thanekar の要約)
[ 2015.04.03 update ]
Global Industry Analysts (GIA)の調査によると、eラーニング市場は教育産業の中でもっとも急速に成長している分野の1つであり、2018年には1688億ドルと予測しています。
eラーニングはデスクトップからタブレットやスマートフォンベースにシフトしてきており、今、マルチデバイス・ラーニングへと発展してきています。マルチデバイス・ラーニングがメジャーなテクノロジートレンドになりつつある間に、そのコンテンツの開発と配信の方法においても、新たな技術や潮流が出てきています。以下にその13のトレンドを示します。
GfKの調査は次のように述べています。
「マルチプル・デバイスは生活の必須の道具であり、それらを切り替えて利用することが一般的になっている。英国と米国の両方において、オンラインの60%以上の大人が少なくとも2つのデバイスを毎日使っている。米国人の25%と英国人の20%は3つのデバイスを利用している。両方の国において、40%以上の人が、あるデバイスで活動を開始し、別のデバイスで活動を終える。」
これに加えて、現在は一人当たり2.9台のデバイスを持っているという事実があります。2017年には5.2台となるという予測もあります。保有デバイスはスマートフォンが85%、ラップトップが65%、タブレットが48%です。
電話、タブレット、ラップトップや他のモバイルデバイスでコンテンツにアクセスしたいと思う学習者が増えるにつれて、その目標は、必要な時に使えるコンテンツを如何に作るか、ということになっています。これは制作や開発だけでなく、テストやコースウェアの配信をも含みます。
a. Multi-device eLearning Development
デバイス、ブラウザ、メーカーやその他のパラメータやその組み合わせ利用が普及する中で、eラーニングデザイナーと開発者は、優美に作られたコースをデバイスに応じて退化させたり、進歩させたりしなければなりません。マルチデバイス/レスポンシブルデザインの出番です。
しかしながらレスポンシブ・デザインは明確ではなく、大きな問題を引き起こしかねません。より簡単な開発ソリューョンをお探しの方のために、我々のHTML5ベースのレスポンシブeラーニング開発(FRED)は真のマルチデバイス/レスポンシブである学習コンテンツを作ることができます。
b. Multi-device Testing
今、異なるブラウザ、メーカー、モデル、サイズ、OS、接続モードとプラットフォームはコースウェアのテストを非常に重要なものにしています。
デバイス-OS-ブラウザの組み合わせの膨大な数とテストパラメータの組み合わせは、テストプロセスを非常に複雑にしています。
さらに、現実の環境での、実際のデバイス上のテストと、シミュレータやエミュレータによる適したハードウェア上でのテストが強固さと高品質を維持するために必要です。
c. Responsive LMS
テクニカルな面だけでなく長期間のメンテナンスとサポート面からも学習管理システムがレスポンシブ・デザインであることが必須です。それは、1つにはマルチデバイスで利用可能なeラーニングを配信するためであり、また、各デバイスやセットのバージョン毎に開発し保守するよりずっと容易だからです。
マルチデバイスの利用の拡大と非互換Flashの成長によって、HTML5が有望な代替案として存在感を示しています。プラグイン無しで、音、ビデオ、2D/3Dグラフィック、アニメーション等を再生できます。加えてHTML5はハードウェア・アクセス、オフライン・ストレージ、クラウドベースアプリケーションをサポートしています。
ほとんどのモバイルデバイスはFlashをサポートしていません。HTML5は広く多くのプラットフォームとブラウザに対応しています。学習者がどこにいようともコンテンツにアクセスできるようにしています。HTML5ベースのコンテンツは学習者が自分の好きなデバイスで学び、参照し、繰り返すための有効なフレキシビリティとリファレンスを提供します。
HTML5が進歩し続けているうちに、企業は既存のeラーニングコースウェアをHTML5にコンバージョンするでしょう。その主な理由は、1 BYODの普及 2 既存コースへの投資の停止 3 新たなコースへの投資の意欲 の3点です。
パフォーマンスサポートツールとは、例えばGPSやGoogle Map等の日常生活の中で利用しているツールを指します。
パフォーマンスサポートツールは日々の実生活の中に入ってきています。多くの人が、より効率よく、より効果的に、より良い結果を得るために、日々の仕事をするために利用しています。よいパフォーマンスサポートツールは、よりよく仕事をするための助けとなっています。
モバイルラーニングは学習者自身のスケジュールに従って、利用可能なコンテンツを迅速に提供します。この傾向はマイクロラーニングとレスポンシブ・デザインをもたらしました。
「現実世界」と「仮想世界」を橋渡しする能力は、どのようにパフォーマンスサポートをみるかにおいて大きな違いを生み出します。Google GlassのようなAR(拡張現実)ツールは洗練され進歩したパフォーマンスサポートをもたらします。ウェアラブルコンピューティングデバイスは学習アシスタントまたはパフォーマンスサポートを配信する方法において革命をもたらします。
APIはアプリケーションが互いにどのようにやり取りするかを定義したものです。それは、データ交換のためと、あるアプリケーションから別のアプリケーションへの機能を統合する目的として広く使われています。eラーニングコンテキストの中で、APIは、オンラインサービスプロバイダー、分析、更新、カスタマイズ、ゲーミフィケーションへの統合/接続する機能を提供します。
コンテンツを学習者に広く利用可能にし、その進歩を追跡するための2つの標準規約があります。SCORMはメタデータを使います。Tin Canはシンプルなコードで書かれたアクター、発言、オブジェクトステートメントを使います。
iPaaS(CloudWork, Zapier, Wappwolf等)の成長によって、提供されるサービスと期待される効果とを統合するためにAPIはノンプログラマブルであることが提案されています。
新しいCMI-5仕様は多くの約束をしていますが、しかしその成功はxAPIを超えるべく、高品質の維持にかかっています。CC/LTI仕様はいくつかの利点を持っていますが、今は未だ研究分野に限られています。
学習におけるゲーミフィケーションはこの2、3年のうちにトレンド上に表れてきました。LMSゲーミフィケーションは今やゆっくりとその存在感を示し始めています。
2011年にガードナーは「2015年までに変革プロセスを進めてきた企業の50%以上がこれらのプロセスをゲーム化するだろう。」と予測しています。
ブライアン・バークは「もし、早期対応によって確実に利益を与えられるならば、革新のために従業員に投資する傾向は、革新を早め続けるだろう。魅力ある従業員からさらに、組織もまた革新の中で幅広い聴衆に投資するためにゲーミフィケーションを使い始めるだろう。」と述べています。
LMSのゲーミフィケーションでは、ユーザがLMS、コンテンツ、ソーシャルラーニングを利用すれば報償ポイントを与えるべきです。ポイントが付与されるので、ユーザは自身のプロファイル、リーダボード、ソーシャルネットに表示される新レベルと新バッチを得ようとします。高レベルを達成すると、学習者はギフトカードや割引クーポンのような褒美を稼ぐこともできます。
拡張現実(AR)には仮想現実(VR)、ユーザの物理空間に重ねられた情報、3D環境が含まれます。これらの機能はGoogle GlassやOculus Rift等のデバイスを通して利用可能になります。
ここ2、3年の間に拡張現実(AR)技術は驚くべき成長を示してきました。マーケット調査によると「ARとVRのマーケット」は年率15%成長し、2018年までに100億円となると予測しています。
この技術は学生がレッスンにより熱中することができる拡張教育アプリとして教育現場に急速に広がっています。Aurasma(AR開発アーム。HP社)の利用者の20%が教育者と学習者です。我々は間もなく学生教育を豊かにするARアプリケーションを目にすることになるでしょう。
David Cearley (vice president and Gartner Fellow)は次のように述べています。
「クラウドコンピューティングはメジャーな技術トレンドであり、それはここ2年でマーケットに浸透してきた。従来、ITは個人やビジネスに対して、伝統的なソフトウェアとハードウェアのライセンスモデルの制約を減らしながら、どのようにしてサービスを得るか、または配信するかを、選択する必要があった。クラウドコンピューティングはそのITに対する新しいアプローチを提供する。」
クラウドコンピューティングは、ユーザがどのようにアプリケーションや情報やビジネスサービスにアクセスするかのすべての局面において驚くべき可能性を持ちます。
eラーニングに関しては、クラウドコンピューティングは主にLMSに適用されます。これによって、真の意味で、SaaS LMSは重要になります。利用するLMSはたった1つのバージョンだけとなり、すべてのクライアントがそれを所有し、高度なセキュリティとデータを持ちます。クラウドLMSプロバイダーはサーバ環境と自動更新、フィックス、拡張等すべてのクライアントに対する新しい能力を持ちます。
導入した組織はLMSの発展と改良を楽しむでしょう。クラウドベースのLMSはTCOの削減をももたらす可能性があります。
Paul Signorelliによれば、「ウェアラブル技術は(未だβフェーズであるにしろ)より挑戦的で創造的な同僚らによって既に学習において利用されている。Google Glassに準拠したあるツールは、学習の場の範囲を広げるという潜在能力を持つ。教育担当者と学習者がGoogle Hangoutsや別のビデオカンファレンスツールを通じて会話し、その学習セッションが記録され、ライブセッションに参加できない学習者に対して利用できるようにアーカイブされる。それは、既にオンサイトと学習者と学習機器を接続するために提供されているタブレットに対して付加される。」とのことです。
“while-you’re-doing-it” appとしてのウェアラブルeラーニングは激しい競争にさらされています。その1つはsmartwatchです。その小さな画面はモバイルラーニングには適してはいませんが、高いパフォーマンスのより直接的なアプリケーションを持っています。例えば、作業員が作業を間違った時に、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、圧力センサーのような動作センサー技術を通して、迅速に警告を送ることができます。この時計でのラーニングは、Bluetoothヘッドセットを通して行う双方向の仮想コーチングセッションに非常によく似ています。
アディダスは消費者向け教育において、仮想コーチングプロダクトであるmiCoach Smart Runを使って既に実施しています。消費者向けモバイルデバイスによって、拡張ブレンドデッドラーニングのニーズが増えそうです。それらはまったく新しい方法で、学習者を引き込みます。
edXのCEOであるAnant Agarwalによると「多くの学生はMOOCsを通じて高度な教育にアクセスしている。私は、これが普通になることを期待する。2020年までに少なくとも世界中で1ダースの大学がMOOCのコンテンツだけで大学の学位を与えるようになり、学生は認定書を得るだろう。MOOCsも履修証明を出すだろう。2020年までに最初の1年をオンラインコースで学んだ学生が大学に入学するのを目にするようになるだろう。」と予想されています。
モバイルフォンの普及(より大きな帯域幅、より低いコスト)、自己生成能力の増加、ビデオ配信サービスの強力な実装によって、ここ2、3年の間にMOOCsが台頭してきています。
インストラクタは今、3千人の学生に対してブレンデッドラーニングコースを制作し、配信する能力を持っています。MOOCsはインストラクタに、講義を記録し、編集し、学期を超えて配信する能力を提供します。
MOOCsはまた企業に対して自身のペースで学習、グループワーク、ソーシャルラーニング、仮想イベント、ビデオ、リソース、アセスメントを行うことを可能にしています。さらなるパーソナライズ化と細分化が加わり、MOOCsは“グローバルクラス”と呼ばれています。
ビッグデータはeラーニングでの様々な要因を分析する助けになります。フォーブスの記者Raj Sabhlokは「正しいデータと正しい時間はストレスを低下するだけでなく、生産性を向上させる。会社にとっても同様である。」と話しています。
彼は、ビジネスはデータをニーズに合うように並び替えフィルターすべきであると信じています。
ガードナーは「『進化し広がり目に見えない分析』が2015年のtop 10 strategic technology trends の1つである。」と言います。それ自身と関連する複数のトレンドの両方の潜在的な能力として。分析論は、埋め込まれたシステムから生成されるデータが増大するにつれて重要な役割を占め、企業の内外の構造化された、または構造化されていない膨大なデータを分析する。」と話しています。
David Cearleyによると「すべてのアプリは分析アプリである必要がある。」「組織はIoTからもたらされる膨大な量のデータをフィルターするためのベストな方法を管理する必要があり、ソーシャルメディア、ウェアラブルデバイスを、それから『正しい情報』を『正しい人に』『正確に』『正しい時間に』配達する必要がある。また分析はより深くなりつつあり、見えない形であちこちに埋め込まれている。」とのことです。
パーソナライズ化された学習は、学習者が自身で学習を管理することができます。それにより、学習者は自身が望む方法で、何を学ぶのかの完全な理解を得ることになります。また、カリキュラムを自由に組み替えることができる、ということでもあります。
分析者達のほとんどがAIシステムを利用して分析を行います。テクノロジーの利点は、学習者自身でコンテンツを使うことができて、特定分野の技術の専門家になれること、そしてコンテンツを作ることができることです。
パーソナライズ化された学習は、学習者の能力に応じた学習ペースにフォーカスしています。
オーサリングツールまたはeラーニング作成ツールは、eラーニングコースを開発するためのソフトウェアです。技術的な進化、コスト削減、迅速なオーサリングツールの選択枝の広さは、L&D専門家が自身のコンテンツを作ることを可能にします。Articulate Storyline 2 のリリースとその増加する機能は、In-House Content Authoringが成長するトレンドである事実に拠っています。
多くの組織は自分達でeラーニング教材を作ることによってトレーニングコストを削減しようとしています。いくつかの組織は、インターネットやイントラネット上で利用するためのカスタムコンテンツを制作し出版するためのオーサリングツールを欲しがっています。その間、他のユーザはRapid Learning solutionsのようなサービスを通じてクリティカルな情報を素早く配置するツールを探しています。
手作りコンテンツオーサリングは簡単に聞こえるかもしれませんが、実際は初期のブログで議論したように各々のオーサリングツールは多くの機能を提供し、ベストフィットするためのトリッキーなタスクです。
Andrew Crisp (Director of CarringtonCrisp a UK based)は次のように述べています。
「技術はビジネス教育に劇的な効果をもたらす。フレキシビリティは考慮すべき重要なテーマである。それはいつでもどこでも彼ら自身のペースで学習することができる、ということである。我々はこれを “ライフスタイルラーニング”と呼んでいる。生活にフィットした方法で学習する能力である。」
L&D部門は、仕事と家庭の両方で学習を継続できるテクノロジーに注目しています。ほとんどの学習は、忙しい人の日常に簡単に取り入れられるように、短いビデオ、1頁ドキュメント、凝縮したレッスン、バイトサイズの情報やその他フレキシブルなアクティビティとして配信されることを期待されています。学習の負荷をより軽減することを考慮しなければなりません。
2015年、組織はソーシャル、インフォーマルで創造的な方法を通して学習者と接続する新しい革新的な方法を探していくでしょう。そして、それは学習の場を広げ、生活の中に学習が入り込んでいくことでしょう。
Take A Leap Of Faith With Mobile Learning
(UPSIDE LEARNING BLOG 2013/2/25 Amit Garg の要約)
[ 2013.03.21 update ]
モバイル学習は長い間、きざしが見えていましたが、その初期には懐疑的、技術的な制約がありました。その後、帯域幅が改善される等、デバイスがより高機能になっているにも関わらず、モバイル学習はまだ飛躍に苦労しています。
最近のTowards Maturityレポート「仕事におけるモバイル学習」には、30%の組織がモバイル学習を取り入れていることを示しています。興味深いことに、この統計は、2012年5月ASTDの報告よりもわずかに上回っています。何がモバイル学習を苦しめているのでしょうか?
モバイル学習の導入率が低い主な理由は、モバイルデバイスとモバイル学習に対する理解の不足でした。真のモバイル学習を理解するための、3つの重要な原則を学ぶことは重要です。
(a) It is much more than ‘Learning’
「モバイルラーニング」という言葉自体が最大の障害です。その言葉は必然的に、モバイルデバイスで学習を提供する方法に焦点を当てることを強いています。
「モバイル」は、手のひらの上に、電話、カメラ、オーディオ/ビデオプレーヤー&レコーダー、パソコン、電子ブックリーダー、GPSデバイス、ゲームコンソール等、多種多様なデバイスの機能をもたらす、ユニークな装置です。
今日のモバイルデバイスは、単にこのようなアクセス機能を提供するだけでなく、職場と自宅で積極的に私達を支援するようになっています。かつて、決して許可されなかったような責任ある行動が許されるようになりました。
従って、もし、単に「学習ボックス」の快適さだけに留まるのであれば、「モバイルソリューション」の真の価値と可能性を認識または思い知ることはないでしょう。
(b) Think augmentation
モバイル学習を検討する際に組織が間違い易いことの1つは、既存のeラーニングをすべてのタイプのモバイルデバイスに移行しようとすることです。
それは、我々が10年前に目撃したすべてのILTトレーニングをeラーニングに変換するために、狂ったように忙しくしていたことと似ています。それだけでなく、そのeラーニングの多くが思ったように機能しなかったことを数年後に知りました。
モバイルでは、 「augmentation」が重要なテーマであるべきです。
Clark Quinnは著作「Designing mLearning: Tapping into the Mobile Revolution for Organisational Performance」で「mLearningは学習やパフォーマンスを増大(augment)させるものでなければならない。」と書いています。
これはモバイル学習の精神をうまく表現しています。
(c) Context in the real king
我々は通常、地下鉄の中や、接続できない場所、あるいは高周波の工場等の環境で、1~2分の短い通信でモバイルを使っています。モバイルラーニングを利用する環境は重要であり、有効なmLearningを設計する重要なキーです。
公平を期すと、モバイル学習を理解することはやや難しいと言えるでしょう。特に "プッシュ学習”の意識を持つ組織では。また、特に過去に、小さな画面サイズ、低い帯域幅、スマートデバイスの低い普及率、コンテンツのセキュリティ、Flash対HTML5の混乱、ネイティブプログラムとWebベースプログラムの選択等、多くの課題がありました。
正直なところ、これらのほとんどは神話です。論理的かつ説得力のある反論を持つ神話でしたが。
大事なのはモバイル学習から逃れられないことを認識することです。何故ならば、我々は既にモバイルの世界で暮らしており、そこでは仕事の本質が変わってきているからです。職場での学習変革の機会を提供しているからです。下記に整理してみましょう。
(a) We live in an increasingly mobile world.
米国でのスマートフォンの売上高はPC販売に追いつき、その傾向はどこも同じです。また、タブレットでも、我々が気付く間もなく直ぐに同じことが起こるでしょう。スマートフォンやタブレットがさらに安くなってきており、この1年か2年で、ほぼすべての従業員が所有することになるでしょう。
インテル評論家のロブ・ジョンソン氏は、今年初めの記事で、「2020年を超えると、コンピュータのサイズはゼロに近づく。あなたが何か知識を得る時に、なんでもコンピュータに変えることができる。」と述べています。
「突然、あなたのシャツ、あなたの椅子、自分の体をもコンピュータにも変えることが可能になる。」
私は、これが埋め込まれたユビキタス学習展開の時代として学習に大きな影響を与えると思います。コンピューティングがモバイルへとシフトしていき、それに適応することは学習にとって極自然であるのは言うまでもありません。
(b) Work is changing
ここ2,3十年にわたり、仕事の概念が変わってきました。コンピュータとインターネットの出現で、仕事はますます知識中心となり、会社はもはやあなたが行く場所ではありません。
労働力は今まで以上にモバイル化されます。世界の労働力の37%が2015年までにモバイル化されるであろうと推定されています。新しい職場やモバイルワーカーを管理しサポートするために「エンタープライズモビリティソリューション」が必要となるでしょう。これらは、生産性を推進する上で急速に進化の傾向があります。
カーネギーメロン大学のロバート・ケリーは「仕事を達成するのに覚えないといけない情報の量は1986年と2006年の間に75%から10%に減少している。」と述べています。学習者の情報をプッシュする方式の正式で構造化されたトレーニングプログラムの重要性が低下していることのヒントがここにあります。現在、学習のより多くは、そのワークフロー自身に組み込まれています。
(c) The opportunity
モバイルは、職場学習の転換の機会を提供します。
Gottfredsonがまとめた「学習させる5つの瞬間」の中に、次の3つが書かれています。
何かを思い出そうとする時
何かが変わった時
何かがうまくいかない時
これは適切な指摘です。それはまさに仕事をするための知識と技能を使っている瞬間を示しています。もし、それを助けることができる学習があれば、それはただちに有効です。
そして、モバイルは(常にオンであり常に持ち運ばれている)このようなパフォーマンスをサポートするために理想的なデバイスです。
前述したように、モバイルは多くの異なる機能を兼ね備えたユニークなものです。また、非常に個人的なデバイス(タブレットはそうでもありませんが)であり、“創造的な衝動”の時点で利用可能です。
あなたはさらにその上を目指して、同僚との意見交換や情報共有のためにそれを利用すれば、それは驚異的なチャンスを得るでしょう。
あなたの仲間がおしゃべりに来るため、デジタルウォータークーラーをどこに作るかを想像してください。それは非公式の社交的な場所となるでしょう。これは、企業内の継続的な学習をもたらすことができます。私には、モバイルが提供する変革の機会であると思えます。
こうして、我々の習慣、文化、日常生活がよりモバイルワールドに近づいている中で、モバイルラーニングを避けようとする理由が私には思いつきません。
モバイルの変革の機会を一旦実現したならば、それを始めるには簡単です。あらかじめ包括的な戦略を作成しようとする場合に気を付けることは、モバイル戦略とは動きつづける標的であるということです。
物事が落ち着くまで、あなたは待つことが許されません。小さなスタートが、始まりです。企業の中でどのように機能させるかの考察を得るにつれて、戦略は、同時に適切なところに落ち着きます。
すぐに使い始められるためのいくつかの簡単なオプションは次のとおりです。
(a) Enable your eLearning
過去にeラーニングを行ってきた多くの組織では、まず、既存のコンテンツをタブレットと互換性を持たせるために変換してきました。悪くない活動です。もし、あなたも同じeラーニングを携帯電話用に変換しようと計画していなければ。技術的には、このタブレットラーニングはeラーニングとmLearningの間に位置しています。うまくいけば、タブレットへのeラーニングの提供は、モバイル学習を始めるために役立つ可能性があります。
(b) Support portal for sales (Field Force)
フィールドベースのスタッフがもっともモバイルであり、彼らは常に日々の仕事で自信をサポートしてくれる情報の更新を必要としています。例えば、最新情報、新たな開発、業務プロセスやポリシーや材料の変更、資源等です。これらのニーズに応えるために専用に設計されたウェブサイト、最適化されたモバイルは、偉大な最初のプロジェクトかもしれません。そしてそれは、学習に限定されるものではありません。
(c) Custom app for a specific task
モバイル機器を有効活用するケースを特定するために、運用チームを調査しましょう。タスクをより速く処理するために、法令順守や特製の計算機を拡大するためのチェックリストを作成することができます。私はあなたがより多くのそのような単純なオプションを考えることができると確信しています。
モバイル学習は、その新しさと急速に進化する性質を持った一見複雑な学習技術ですが、それを回避することはもはやできません。特に厳しい競争の中で、従業員のパフォーマンスと進捗状況を強化したいと考える企業にとっては。
mLearningとそのドメインの可能性が進化する間に、組織がmLearningを始めることが重要です。そして、すべての懐疑的で世俗的な反論を乗り越えるために、信念の飛躍は作業を開始するために必要とされます。
前に進め、まさに実行しましょう!
Five Myths of Mobile Learning
(UPSIDE LEARNING BLOG 2009/8/24 Abhijit Kadle の要約)
[ 2013.02.22 update ]
私はこれまで、企業のモバイル学習採用を促進するために、論文を書いてきました。複数のwebリンクをみてみると、モバイル学習についての神話のパターンが浮かび上がってきます。多くのこれらの神話に関して、私が正体を暴露することを試みている5つを、勝手にリストにして記述します。はじめに、神話の背後に、常に真実の要素があることを私は認めます。しかし、技術の進歩により、それらの『真実』の多くは、誤りのようにみえるでしょう。
モバイルデバイスには、パーソナルコンピュータが提供する大きな物理インターフェイスデバイス(キーボード、モニター、マウス、プリンタ...)が欠けているとしばしば言われてきました。
しかし、モバイルデバイスがまだパソコンインターフェイス機能に及ばないと言っているうちに、それらは、短い時間で成長しました。今日のデバイスは、使用可能な大画面やQWERTY配列のフルキーボードを持っており、さらに、マルチタッチ触覚サポートを含む最新のデバイスと、画面上のポインティング/クリックを支援するための機能も持っています。
プロセッサの性能アップレースは、パーソナルコンピュータからモバイルデバイスにシフトしています。最新のモバイルコンピューティングデバイスは、5年前のパソコンに匹敵します。デバイスが集約されるにつれて、画面とキーのサイズの問題、処理能力やメモリの問題は軽微になります。
我々はすぐに、十分にコンパクトデバイスを使用するようになり、それはパーソナル・コンピュータ、通信機器、デジタルアシスタントとして機能します。
モバイルデバイスはユビキタスとなり、若い世代の学習者のコミュニケーションに浸透してきています。さらに、世界中の企業が大々的にモバイル技術を導入しています。これらのモバイルデバイスは、いろんな機能を持つがゆえに利用者の気が散ってしまうように思えます。しかし、学習者の気が散るのは、テクノロジーの所為でも装置の所為でもなく、学習アクティビティとコンテンツの所為だと考えます。
このことは、パーソナルコンピュータを学習に使用する場合に気が散るのと同じです。あるものは学習内容を無視して、その気を取られている物事のためにコンピュータを使用します。しかし、パソコンが一般的にデスクワークとして使われるのに比して、いろいろな環境で使われるだろうモバイルコンピュータは、気が散る可能性が高いことは認めます。確かに、フットボールの試合やカクテルパーティーで、若干のジャストインタイムの学習を試みたくはありません。
重要なことは、デバイスの能力を真に利用するように開発することです。単に移動時利用だけのために既存のコースウェアを変換しパッケージ化しても、それだけではモバイルラーニングとは言えません。
効果的な学習であるためには、学習内容と活動は、モバイル装置の有効な利用方法を想定して設計されなければなりません。例えパソコンで十分機能していたとしても、モバイルコンピュータで機能するとは限らないからです。退屈な内容を与えられて、気が散らずにすむでしょうか?
モバイルコンピューティングデバイスが、コストの障壁がゆえに使えないというのは、私が遭遇した奇妙な神話の一つでした。ここインドで、モバイル機器の驚くべき普及率と、インド全域で利用可能なモバイル・ネットワークの有効性をみてまわって、コストがモバイル学習の阻害要因でないことは明白です。
電話は、今までよりもはるかにコストが少なく、ネットワーク利用料金は一貫して下落しているため、使用料が安くなっています。これらの要因は、増加する技術の可用性とその後の普及に貢献しています。
これは、モバイル学習の採用に躊躇する法人の主な理由としてよく挙げられます。彼らが都合よく無視してきたのが、大きなコンテンツ配信プラットフォームです。WWWとその様々なコンポーネントは、現在、多くの世代のモバイル機器から利用できます。
これは、画期的なテクノロジーの出現に伴うよくある神話です。コンピュータについてだけでなく、歴史をざっとみると、書籍、ラジオやテレビでも同じようなことが言われてきました。3.で言及したように、携帯電話は、今や広くアクセス可能であり、大衆にとって手頃な価格となっています。モバイルデバイス用のコンテンツを開発することは、もはや高価でなく、プラットフォーム依存ではなくなってきました。モバイル学習コンテンツを、PCのブラウザ上で動作する従来のeラーニングより、少ないか、等しいコストで開発することは可能だと断言できます。
Mobile Learning Management Systems : a spectrum of choices.
(Blog:Float Mobile Learning 2011/09/16 Mobile Learning Management Systems : a spectrum of choices.からの要約)
[ 2012.12.25 update ]
コンピュータベースの学習管理システム(以降、LMSと表記)は1960年代に始まり、1990年代後半と2000年代初頭に本格的に飛躍しました。その後、教育とトレーニングのソフトウェアの世界での急速な変化によって、いくつかのLMSが古くさく思われ始めているのは、意外なことではありません。
多くのLMS企業は、市場が飽和状態に達し、自社の知的財産を販売するためには、新たな方策を模索しないといけないことを認識しています。
ちょうどおこったモバイル学習の革新によって、LMS企業は自社製品を販売するための新たな機会を得ることができましたが、その方策は企業によって大きく異なっています。
あるLMSの企業は、大した変革を行わないままに、ただ、自社製品に“モバイル”という言葉を追加しました。
別のあるLMS企業は、表面的な変更を行いました。つまり、小さな画面に収まるように彼らのインターフェースを再設計しました。
さらに、2,3の企業は、もう少し進歩して、実際にスマートフォンやタブレットで動作するモバイルLMSを持ち始めました。一部は非モバイルLMSに接続する必要がないスタンドアロンLMSを開発しました。
そして最後に、いくつかのLMS企業は、イノベーションの海に自分のつま先を入れ、何か新しいものを作成しようとしています。
モバイルLMSについて、5つのレベルに分類しました。
レベル0 -
モバイル学習のために準備ができていないLMS
レベル1 -
モバイルデバイス用にグラフィカルに再設計したLMS
レベル2 -
既存のLMSのためのモバイル拡張機能(“プラグイン”) - 機能拡張は、非モバイルLMSと連携して動作するのみ
レベル3 -
スタンドアロン、自己完結型モバイルLMS
レベル4 -
固定あるいはクラウドコンピューティングなどのモバイル機器の新しいアフォーダンスのいくつかを使用した革新的なモバイルLMS
現在利用可能なモバイルLMSを上記のレベル1からレベル4に配置してみました。 (注:これはモバイルLMSのすべてのリストではなく、単なる一例です)
レベル1
LMS with a mobile friendly design
Moodle, Sakai
レベル2
Mobile LMS plugins
MLE-Moodle, MOMO, Blackboard Mobile
レベル3
Stand-alone mobile LMSs with integration with a regular LMS
Pushcast, KMx, Cellcast
レベル4
Mobile LMS fully integrated with a learner through cloud computing
mEKP, wearIT@work(formerly iTutor)
オープンソースのLMSのいくつかはモバイル・コンピューティングを想定して設計されています。
例えば、Moodleのインターフェースは3カラムのレイアウトで構成されており、モバイルに非常にフレンドリーです。
もう一つのオープンソース、Sakaiは、モバイル対応にする機能を生み出すための開発者グループを持っています。しかし、これらのLMSはモバイル版と非モバイル版とで設計思想において大して違いはありません。
もう一つのアプローチは、既存のLMS(レベル2)のプラグインとして設計するか、または拡張機能として設計するかです。
Moodleは、MLE-MoodleとMOMO(Mobile Moodle) を含むいくつかのプラグインを持っています。
BlackboardはLearning 9.1プラットフォームにBlackboard Mobileを拡張しています。それによってユーザは、コースの更新、新しい割り当て、コースコンテンツ、学習グループの更新、コミュニティでの議論、およびそれらのグレード/評価結果の通知を受け取ることができます。
レベル3は、非モバイルLMSを参照しなくてもユーザのための学習教材を管理するスタンドアロンのモバイルLMSです。
例としては、BlackBerry Pushcast(旧Mobile Chalkboard)です。それはBlackBerryプラットフォーム上でのみ実行され、主に訓練を提供するために使用されています。
これは、テキスト、グラフィックス、ビデオ、オーディオを備えており、アンケートを行い、要望を受付け、電子メールを処理します。また、テストを管理し、その結果やコンテンツの使用状況を記録します。
同様に、「KMx from Knowledge Management Solutions」は、eラーニングコースウェア、ナレッジマネジメント、SCORM に完全に準拠したモバイルのためのコラボレーションツールの開発と配布を提供します。
このカテゴリの別の例として、「Cellcast from OnPoint Digital」が挙げられます。
このモバイル学習プログラムは、スマートフォン、タブレット、ネットブックコンピュータにおいて、多種多様なオーディオおよびビデオ学習コンテンツを作成、通知、配布、記録することができます。
また、モバイルWebコンテンツ、ウェブやPDFファイル、ビデオ、アニメーションやナレーション付きのスライドプレゼンテーション、話し言葉とテキストベースの評価の配信と記録が可能です。
Cellcastは完全に「OnPoint Digital」のLMSに統合されていますが、どのLMSをも参照することなく独立して操作することもできます。
残念ながら、レベル4に達しているモバイルLMSはありません。
しかし、モバイルLMSを変換する革新的な新しいソリューションの兆候があります。それは、デスクトップLMSの単なるに焼き直しではありません。
その一例として、「mEKP mobile learning management system from Net Dimensions」が挙げられます。それはUSBメモリスティックにフル機能のLMSを持つことができます。これで、学生は自分の作業を、オフラインで行うことができます。そして、インターネットに接続せずに記録を残します。彼らは単にUSBメモリスティックを持っていき、機会があり次第、インターネットに接続されたコンピュータに接続します。
VIDEO
自分の作業の結果は、完全なNet DimensionsのLMSにアップロードされます。このアプローチは、Net Dimensionsがモバイルラーニングの新たな定義に向けて動いていることを示しています。この新たな定義とは移動する学習者に関してのものであり、モバイル技術そのものについてではありません。
最後に、イタリアの「Giunti Labs」は、「eXact iTutor」と呼ばれる新しいウェアラブルLMSの実験をしてきました。これはGiuntiのウェブサイトに「世界初のウェアラブル、ワイヤレスモバイルラーニングのプラットフォーム」と記載されています。
それはロケーションベースで、重大な危機管理の指示や、ジャストインタイムのトレーニング教材が職場に配信され、音声や視線でコントロールが可能です。
残念なことに、このモバイルLMSはまだプロトタイプであり、完成していません。しかしながら、それは間違いなく、そのデザインはかつて実現できなかったモバイル学習のユニークないくつかの可能性を追求しており、正しい方向へ第一歩を踏み出したといえます。
6 Steps To A Better Mobile Learning Strategy
(UPSIDE LEARNING BLOG 2012/8/16 Amit Garg の要約)
[ 2012.08.20 update ]
モバイル学習は比較的新しい分野であり急速に進化しています。ですが、その実装はそう簡単ではありません。モバイルラーニング(以下、mlearningと表記)を導入する際に、以下の6つのステップを検討することが、効果的なmlearning戦略を作成するのに役立ちます。
ニーズの確立。当たり前のことですが、にもかかわらず、しばしばそれが無視されることの多さにびっくりするでしょう。実際、初期のモバイル学習の取り組みは、真のニーズよりも、その目新しさのために取り上げられてきました。
「モバイル学習とは何か」「どのように職場で利用するのか」の理解が不足しているのだと思われます。
率直に言って、必要なニーズに対して、最も適切なソリューションを実装するように気をつけていれば、ほとんどの組織はモバイル学習の恩恵を受けることができます。それが『流行のもの』であるから、あるいは、他の皆がそれをしているからという理由で、あなたはそれをするべきでありません。
次のことを自身に問いかけましょう。
a. モバイル環境にトレーニングを持ち込むのは難しいと思いますか?
b. モバイルは、あるケースにおいて訓練/学習を提供するための唯一/ベストの方策ですか?
c. あなたはモバイル学習で何を達成したいですか?
確立したニーズがあったとしても、いくつかの組織はモバイル学習を受け入れる準備ができていない可能性があります。
経験から、モバイル学習はソーシャル、インフォーマル、ジャスト・イン・タイム、解決/影響力をサポートする能力においてもっともうまく機能します。
即応性を評価する上でいくつかの重要な要素は次のとおりです。
a. 受験対象者のプロファイル: あなたの学習者は、どのように自分のモバイルデバイスを使用しますか?彼らはモバイルで学ぶ準備ができていますか?また、どのような話題やどのような状況で学ぶのでしょうか?
b. 経営陣の購入意欲: あなたの上級管理職はモバイル学習の潜在能力を高く評価していますか?彼らは、組織内のモバイル学習のための価値戦略/計画の作成 に時間とお金を費やすことをいとわないですか?
c. モバイル学習はあなたの学習戦略にフィットしていますか?: あなたの組織でどのようにそれを活用しますか?学習戦略にソーシャル、インフォーマル、パフォーマンスサポートが組み入れられていますか?
d. 文化: あなたの組織に、共有や評価の交換やソーシャルラーニングの文化はありますか?
よく知られているように、モバイルプラットフォームはAppleのiOSとGoogleのAndroidが市場でパイを分け合っています。しかしながら、Winodows Phone 8は有望に思えますし、彼らのドアをノックし始めています。BlackberryもV10のリリースを控えており、決して諦めるつもりはない様子です。
多くの異なるデバイス、どのOSにも依存しない様々なものがいろんなプラットフォームでビルトされています。
Gary Woodillは2010年に出した著書「The Mobile Learning Edge」の中で、モバイルフォンの種類は5000以上あると見積もっています。
3.5インチから11インチのモバイルデバイスを、いろんなものが混在しているなかで、特に特徴的なタブレットを並べて、そこから選択しなければなりません。タブレットラーニングは基本的にはeラーニングやモバイルラーニングと同じでは無い点があるにしろ。
モバイル学習のために特定のデバイスを選択するのはやっかいです。既にある特定のデバイスを導入することが決まっていれば簡単です。が、誰でもそうすることができるというわけではないし、そのデバイスを必要とするとは限りません。
デバイスをスタッフに提供している会社は、大部分はちょうど彼らのセールス・スタッフまたは他のモバイルワーカーから始めています。
もう一つの傾向は、スタッフがビジネスのために彼ら個人のモバイルデバイスを使うのを許すことです。多くの場合に、スタッフはすでに会社からはっきりした方針が無いまま、仕事で個人のデバイスを使い始めています。
モバイル学習のために彼ら自身のデバイスを使うことを許すかどうかについてのBYOD方針を、あなたの戦略の中で明確にする必要があります。
ベストなものを選択するのに参考になる意見があります。
a. Native apps vs. Mobile web:
Jakob Neilsenが指摘したように、あなたに金銭的・時間的余裕があるのならば、現在のネイティブ・アプリケーションは一流の結果を提供できるベストのものです。しかしながら、モバイルウェブはベストソリューションになるでしょう。
ネイティブアプリは、通信が不自由なところであなたのスタッフが情報にアクセスする時や、カメラのようなネイティブデバイスを使う必要がある時、高性能な能力が必要な時にモバイルウェブを上回ります。
しかし、あなたが広範囲にわたるデバイスと様々なプラットフォームをサポートするほうを選ぶならば、ウェブベースのアプローチは大事です。各々のためにアプリを構築することは現実的ではありません。クロスプラットフォーム開発ツールは、この問題を解決するかもしれませんが、しないかもしれません。
この共通の問題は、すべてのプラットフォームの対応の不足とネイティブアプリよりも遅いパフォーマンスです。それゆえ、現実的な妥協が必要です。
b. Flash vs HTML5:
これは、実はもう議論の余地はありません。たとえ、まだその準備ができていないとしても、HTML5はモバイルウェブの将来の姿です。
多くの会社がすべてのeラーニングをモバイルデバイスでうまく利用可能にするために率先してHTML5を選んでいます。
以前に議論したように、もしそれがあなたの目的に本当に合うならばHTML5にしてください。そうでなければ、Flashでeラーニングを開発して、モバイルウェブとは別に分けておくことがいいでしょう。実のところ、Flashはまだ、HTML5より非常に良いeラーニングを提供しています。
c. mLearning Authoring Tool:
多くのオーサリング・ツールは本当のHTML5互換性を提供するのに実際に苦労しています。双方向的でないビデオをHTMLコードに実際に埋め込んでいるものもありますが、まだ質の良いアニメーションとインタラクティブは不足しています。
私たちはそれらのツールがHTML5の能力を促進するようになることを期待しています。
もし、あなたがモバイル学習提供と製品開発を実装することになっているならば、(Upside2Goのような)内蔵型のオーサリング・ツールを勧めます。
d. LMS integration:
一般的な理由でmLearningを採用しているならば、LMSで履歴を管理する必要性は小さく、SCORM準拠とは距離を置いた方がいいでしょう。例えば、クアルコムはウェブサイトに導くようにmLearningイニシアティブをトラックします。修了や結果能力は測定できません。(クアルコムの事例研究をカバーしているASTDをチェックしてください。)
eラーニングをmLearningにコンバートしようとしている組織を見つけることがあります。多分、mLearningは動き回るeラーニングだと信じているのだと思いますが、それは神話です。
この神話は一部のオーサリング・ツール・ベンダーによってしばしば固定化されます。彼らは、一旦開発すれば、それをいろいろなデバイスで、デスクトップから最も小さい携帯電話まで、あちこちに配布できることはすばらしいことだと提案します。
私はこの考えに反対でありませんが、それが賢明に使われなければなりません。
モバイル学習は、ジャストインタイムの情報/トレーニングなどの短く貴重な情報が、学習の促進またはそれ自身の能力において、提供された時に最もうまく機能します。(ClarkQuinn)
大事な情報の導入や、またはフォローアップのクイズ/概要/シナリオとしてブレンデッドラーニングのソリューションの一部をなすことができます。
多くの場合、スタッフがそれを必要とする時、つまり、彼らが動けない時、何かを忘れた時、何かの助けが必要な時に、直ぐにモバイルデバイスでアクセスできるようにすることです。そうして、ニーズに合うようなそれに対応したコンテンツを特定します。
また、モバイルデバイスの学習のために設計されたものを配信する時には次のことに気をつけましょう。
(a) 特定のサイト/アプリにアクセスするのにどれくらいの時間がかかりますか?
(b) 一方の手を占有して、もう一方の手でデバイス/アプリを操作する必要がありますか?
(c) タイプするか、デバイスに話すことによってデータを入力することができますか?
ドキュメント、ビデオ、音声ファイルのような静的なコンテンツは別として、モバイルデバイスによって利用できる専門家と議論フォーラムは偉大な利点です。あなたはそれに従って、ユーザが生み出したコンテンツについてよく考えるべきです。モバイルデバイスは、スタッフを通して、地理的、距離的な点ゆえに重要なデータやコンテキストを生み出す助けになります。
米軍は、スマートフォンによって兵士にトレーニングとパフォーマンスのサポートを与えることを焦点として、「CSDA」と呼ばれているプログラムを始めました。
以下の文章は、彼らがどのようにセキュリティ問題に取り組んでいるかについて指摘しています。
「セキュリティ問題を回避するソリューションを、軍は追い続けています。もし、デバイスが間違った手に渡っても、それはハックできず、不当に使うことはできません。」
ウェブベースで情報にアクセスするためのログインの保護は、情報のダウンロードが可能なアプリよりも関心をもたれていません。双方、同様に暗号化とパスワード保護によって機密を守ることができるのにです。
それに加えてMDMs(モバイル・デバイス管理)とMAMs(モバイル・アプリケーション管理)は、紛失したデバイスの機能を遠隔消去する際におおいに役立ちます。あなたのスタッフに明確なモバイルセキュリティポリシーを通知することは、同様に役に立ちます。
ソーシャルメディアとソーシャルラーニング
(2012 ASTD Conference & Expoでのセッション、ワークショップ、ミーティングからのまとめ)
[ 2012.07.23 update ]
共に一緒に学びたいという内なる欲求は、膨らみ、拡張し、深くなるテクノロジーを利用促進することを通してはじめて実現されます。他のどの技術よりも、ソーシャルメディアは、ワークスペースの変化のニーズを受け入れることができ、すべての年齢層の人々が快適かつ便利なような方法で学習することができるようにします。
ソーシャルラーニングは、人々が、より活性化し、広い観点を得て、他人と協力してより良い意思決定をすることを助けます。多くの組織が1つの場所にグループの知識を集約しようと苦労している一方で、ソーシャルラーニングは、その場ではなく、休憩室またはウォータークーラーの側での会話に頼る代わりに、コラボレーションのための道を開きます。うまくいけば彼らはソーシャルメディアによって起こることを信頼するようになります。
他の学習の構想と同様に、ビジネスケースにおいては、その利用を前提として作られる必要があります。例えば、ソーシャルラーニングは、仕事に役立たせるためのフォーマルラーニングの推進役として利用されます。他の組織がビジネスパフォーマンスを向上させるためソーシャルラーニングを利用している組織があることも重要なポイントです。既存のプログラムに対する付加価値としてのこれらの枠組みは、より説得力のある事例を示しています。
特にインフォーマルラーニングにおいては、学習を発展させる唯一の方法、おそらく、最後の手段であり、唯一のコンポーネントと思われます。
ソーシャルラーニングは、フォーマルな、つまり組織主導型のプロセスとして、あるいは、インフォーマルな、すなわち従業員主導型のプロセスとして展開されます。学習およびそのパフォーマンスの専門家は、常にこの分野での新たな動向を注視する必要があり、それをプログラムに組み込む方法を決めていく必要があります。
ほとんどの人は今日のビジネスコンテキストの中でソーシャルメディアを考えます。例えば、ソーシャルメディアはマーケティングのための一連のツールと考えられます。しかしながら、ネットワーク上で働く様々な職業の人々の中には、時間と空間を越えて、正しい意思決定を行い、以前には夢にすら思わなかった方法で、複雑な問題に対応している人々が居ます。興味を共有する人々をまとめることにより、ソーシャルメディアは、場所またはタイムゾーンに関係なく、仕事場を自然に学習の場に変える可能性を持っています。
ソーシャルラーニングは、人々がどのように働くかについての根本的な変革ともいえます。
例えば、学習者が自身のベストプラクティス、技術、または洞察を、コースの他の参加者と共有するために、ブログに書き込むことができるコースを想像してみましょう。学習者がライブディスカッションに参加したり、アイデアを評価したり、他人の評価を見ることができるコースを想像してみましょう。これらの"ソーシャル"な技術は、伝統的なトレーニングやフォーマルトレーニングに簡単に組み込むことができます。
ソーシャルラーニングは、他者から、あるいは他者とともに学ぶことであります。それはグループで、カフェでの古くからの友人同士で、教室で、または会ったことのないオンライン上での同僚の間で自然に行われています。質問をするために教壇に近づくときや、誰かが回答してくれると期待して同じ質問をブログに投稿するときにそれを経験します。
ソーシャルラーニングを理解するためには、まず最初にソーシャルメディアを理解する必要があります。
ソーシャルメディアは3人以上の人々によって使用されるように設計された、インターネットベースの一連のテクノロジーである、と言えます。
テクノロジーによってサポートされているほとんどのインターラクションは、電話や電子メールメッセージ等のナローキャスト(1対1)、電子メール配布リストや購読者の少ないニュースレター等のニッチキャスト(1対小グループ)、オンライン出版物やラジオ番組などのプラットフォームを使ったブロードキャスト(一対多)です。
ソーシャルメディアは3人以上によって利用される技術なので、他人との相互作用で新しいアイデアを理解することがソーシャルラーニングということになります。これらを、どのように強力に連携させるかが重要です。
ソーシャルツールは、ログや学習履歴をデジタルで記録し、後に続く人々のために、その航跡を残してくれます。
ソーシャルツールは、いまや、地理的な境界やタイムゾーンの違いにとらわれないで、チームメンバ間でのソーシャルラーニングを促進するために使われます。
ジェイ クロス(インフォーマル学習とシステム思考の一番の専門家の一人)は『フォーマルトレーニングやワークショップからは、人々が仕事で学ぶべきことの精々10%~20%しか得られない。』と、彼のブログで述べています。その中において、フォーマルラーニングは、受身的にバスに乗るようなものであるのに対して、インフォーマルラーニングは、自転車に乗るようなものだと比較しています。すなわち、バスに乗る人は方向とルートを選択し、自転車に乗る人は、風景を楽しんだり、仲間を助けるために、即座に迂回をすることができるという違いがあると述べています。
知識伝達を拡散するマーケティングのために利用された時や、自然に対話するのと同じ方法で人々が繋がった時にソーシャルラーニングは強力です。
ソーシャルラーニングは、クラスルームトレーニングや、モバイル学習、またはeラーニングのような配信システムではありません。情報を共有したり、情報を見つけるための強力なアプローチです。また、より正しい意思決定をするための、また、我々が活動している文化や文脈を、より親密に、価値のある、そしてダイナミックに理解するためのものです。
経営者やマネージャーは、従業員の知識は戦略的な優先度と競争上の優位であると考えています。過去15年間、企業は組織的な学習を訓練の機能を合理化したり、コースをオンライン化することで変換するために努力してきました。が、訓練と学習は同じものではないというジレンマには対処できていません。
訓練は、量的に計測可能なコンテンツを提供するアウトサイドインアプローチであるのに対して、学習はインサイドアウトプロセスといえます。それは、最近の出来事や相互作用の動きから自然にから生じたり、または、かねてから持っている学習者の知りたいという欲求に由来するといえます。
ソーシャルラーニングは、トレーニングに取って代わるものではありません。少しオーバーラップし、また多くのことで補完します。 さらに、それはまた、トレーニングでは出来ないある方法で知識の伝達を可能にするかも知れません。
ソーシャルメディアは、内部と外部の両方のコラボレーションのネットワークからの情報とリソースを収集し、共有する学習者のためのプラットフォームとして機能することでインフォーマルラーニングをサポートすることができます。学習者は、このように彼自身の学習コンテンツを生成し、集めた知識を活用することができます。
学習者に対して、クラスやワークショップを“プッシュドアウト”するのではなくて、学習者が、フォーマルラーニングセッション以外で、コンセプトやアイデアを“プルイン”することができるものです。さらに内部だけでなく、外部と組織との間のコミュニケーションを容易にすることができます。
今日のトレーニングで、最も頻繁に使用されるモデルは、我々が学校で学んだ方法でパターニングされた同じモデルです。このモデルでは、教師から生徒に情報が分配され、生徒は、それの呼び起こしのためにテストされます。
このモデルの問題点は、企業の活動と一致しないことです。
ソーシャルラーニングは、2つの観点から学習体験をパーソナライズします。
(1) 伝統的なコースが提供された時よりも、必要な情報を集め、学ぶことを許された場合
(2) 特定の必要性や観客を満たすコンテンツを生成することを許された場合
例えば、ユーザがマイクロブログを使って、アイデアや質問でフィードバックを募集して情報を収集することがあります。その後、その同じユーザは、新しく情報(コンテンツ)を作り、組織内の特定の社員に対して情報を共有し、リソースを統合するということが起きえます。
従業員は、よりよく仕事をするためにオンデマンドで情報を必要とし、その情報にアクセスし、それをどう使うかが、最終的に学習空間(ワークスペース)での有効性を決定します。
仕事でソーシャルメディアを使用する人は、ソーシャルメディアを使用することの3つの利点を上げています。
(a) より簡単にリソースを見つけられること。
(b) 知識の共有ができること。
(c) コミュニケーションが強化すること。
(1) ソーシャルラーニングは知的労働者のためだけのものではありません。 どんな職業、どんな組織でも力を与えます。
(2) それはフォーマルな教育と反するものではありません。 学習者はソーシャルメディアを、学習者相互に、また、インストラクターやファシリテーターとのコミュニケーションのために利用します。それはまた、授業の前後に内容を確認するためにソーシャルメディアを使用し、個々の考えを共有することができます。
(3) トレーニングや従業員開発に取って代わるものではありません。 ソーシャルラーニングは、クラスルームやオンラインでの正式な訓練を補完することができますが、代用品にはなりません。正式な訓練では得られないような様々な知識をカバーするものです。
(4) インフォーマルラーニングと同義ではありません。
(5) eラーニングと同義ではありません。
(6) 常に教育担当者がいるのと同じような社会ではありません。 多くの場合、ソーシャルラーニングを実施しているときは一人であり、ソーシャルが無いということは、アイデア、情報、経験を共有、交換できないということを意味します。