ソーシャルラーニング事情SOCIAL LEARNING SITUATIONS

「ソーシャルラーニング」とはどのようなものなのか、「ソーシャルメディア」とはどのように関わるのかをご紹介いたします。

Top 13 eLearning Trends for 2015

(UPSIDE LEARNING BLOG 2015/3/11 Pranjalee Thanekar の要約)

[ 2015.04.03 update ]

Global Industry Analysts (GIA)の調査によると、eラーニング市場は教育産業の中でもっとも急速に成長している分野の1つであり、2018年には1688億ドルと予測しています。

eラーニングはデスクトップからタブレットやスマートフォンベースにシフトしてきており、今、マルチデバイス・ラーニングへと発展してきています。マルチデバイス・ラーニングがメジャーなテクノロジートレンドになりつつある間に、そのコンテンツの開発と配信の方法においても、新たな技術や潮流が出てきています。以下にその13のトレンドを示します。

GfKの調査は次のように述べています。

「マルチプル・デバイスは生活の必須の道具であり、それらを切り替えて利用することが一般的になっている。英国と米国の両方において、オンラインの60%以上の大人が少なくとも2つのデバイスを毎日使っている。米国人の25%と英国人の20%は3つのデバイスを利用している。両方の国において、40%以上の人が、あるデバイスで活動を開始し、別のデバイスで活動を終える。」

これに加えて、現在は一人当たり2.9台のデバイスを持っているという事実があります。2017年には5.2台となるという予測もあります。保有デバイスはスマートフォンが85%、ラップトップが65%、タブレットが48%です。

色々なデバイスのイラスト(スマートフォン、タブレット、デスクトップ、ラップトップ)電話、タブレット、ラップトップや他のモバイルデバイスでコンテンツにアクセスしたいと思う学習者が増えるにつれて、その目標は、必要な時に使えるコンテンツを如何に作るか、ということになっています。これは制作や開発だけでなく、テストやコースウェアの配信をも含みます。

a. Multi-device eLearning Development

デバイス、ブラウザ、メーカーやその他のパラメータやその組み合わせ利用が普及する中で、eラーニングデザイナーと開発者は、優美に作られたコースをデバイスに応じて退化させたり、進歩させたりしなければなりません。マルチデバイス/レスポンシブルデザインの出番です。

しかしながらレスポンシブ・デザインは明確ではなく、大きな問題を引き起こしかねません。より簡単な開発ソリューョンをお探しの方のために、我々のHTML5ベースのレスポンシブeラーニング開発(FRED)は真のマルチデバイス/レスポンシブである学習コンテンツを作ることができます。

b. Multi-device Testing

今、異なるブラウザ、メーカー、モデル、サイズ、OS、接続モードとプラットフォームはコースウェアのテストを非常に重要なものにしています。

デバイス-OS-ブラウザの組み合わせの膨大な数とテストパラメータの組み合わせは、テストプロセスを非常に複雑にしています。

さらに、現実の環境での、実際のデバイス上のテストと、シミュレータやエミュレータによる適したハードウェア上でのテストが強固さと高品質を維持するために必要です。

c. Responsive LMS

テクニカルな面だけでなく長期間のメンテナンスとサポート面からも学習管理システムがレスポンシブ・デザインであることが必須です。それは、1つにはマルチデバイスで利用可能なeラーニングを配信するためであり、また、各デバイスやセットのバージョン毎に開発し保守するよりずっと容易だからです。

マルチデバイスの利用の拡大と非互換Flashの成長によって、HTML5が有望な代替案として存在感を示しています。プラグイン無しで、音、ビデオ、2D/3Dグラフィック、アニメーション等を再生できます。加えてHTML5はハードウェア・アクセス、オフライン・ストレージ、クラウドベースアプリケーションをサポートしています。

ほとんどのモバイルデバイスはFlashをサポートしていません。HTML5は広く多くのプラットフォームとブラウザに対応しています。学習者がどこにいようともコンテンツにアクセスできるようにしています。HTML5ベースのコンテンツは学習者が自分の好きなデバイスで学び、参照し、繰り返すための有効なフレキシビリティとリファレンスを提供します。

HTML5が進歩し続けているうちに、企業は既存のeラーニングコースウェアをHTML5にコンバージョンするでしょう。その主な理由は、1BYODの普及 2既存コースへの投資の停止 3新たなコースへの投資の意欲 の3点です。

パフォーマンスサポートツールとは、例えばGPSやGoogle Map等の日常生活の中で利用しているツールを指します。

パフォーマンスサポートツールは日々の実生活の中に入ってきています。多くの人が、より効率よく、より効果的に、より良い結果を得るために、日々の仕事をするために利用しています。よいパフォーマンスサポートツールは、よりよく仕事をするための助けとなっています。

モバイルラーニングは学習者自身のスケジュールに従って、利用可能なコンテンツを迅速に提供します。この傾向はマイクロラーニングとレスポンシブ・デザインをもたらしました。

「現実世界」と「仮想世界」を橋渡しする能力は、どのようにパフォーマンスサポートをみるかにおいて大きな違いを生み出します。Google GlassのようなAR(拡張現実)ツールは洗練され進歩したパフォーマンスサポートをもたらします。ウェアラブルコンピューティングデバイスは学習アシスタントまたはパフォーマンスサポートを配信する方法において革命をもたらします。

APIはアプリケーションが互いにどのようにやり取りするかを定義したものです。それは、データ交換のためと、あるアプリケーションから別のアプリケーションへの機能を統合する目的として広く使われています。eラーニングコンテキストの中で、APIは、オンラインサービスプロバイダー、分析、更新、カスタマイズ、ゲーミフィケーションへの統合/接続する機能を提供します。

コンテンツを学習者に広く利用可能にし、その進歩を追跡するための2つの標準規約があります。SCORMはメタデータを使います。Tin Canはシンプルなコードで書かれたアクター、発言、オブジェクトステートメントを使います。

iPaaS(CloudWork, Zapier, Wappwolf等)の成長によって、提供されるサービスと期待される効果とを統合するためにAPIはノンプログラマブルであることが提案されています。

新しいCMI-5仕様は多くの約束をしていますが、しかしその成功はxAPIを超えるべく、高品質の維持にかかっています。CC/LTI仕様はいくつかの利点を持っていますが、今は未だ研究分野に限られています。

学習におけるゲーミフィケーションはこの2、3年のうちにトレンド上に表れてきました。LMSゲーミフィケーションは今やゆっくりとその存在感を示し始めています。

2011年にガードナーは「2015年までに変革プロセスを進めてきた企業の50%以上がこれらのプロセスをゲーム化するだろう。」と予測しています。

ブライアン・バークは「もし、早期対応によって確実に利益を与えられるならば、革新のために従業員に投資する傾向は、革新を早め続けるだろう。魅力ある従業員からさらに、組織もまた革新の中で幅広い聴衆に投資するためにゲーミフィケーションを使い始めるだろう。」と述べています。

LMSのゲーミフィケーションでは、ユーザがLMS、コンテンツ、ソーシャルラーニングを利用すれば報償ポイントを与えるべきです。ポイントが付与されるので、ユーザは自身のプロファイル、リーダボード、ソーシャルネットに表示される新レベルと新バッチを得ようとします。高レベルを達成すると、学習者はギフトカードや割引クーポンのような褒美を稼ぐこともできます。

拡張現実(AR)には仮想現実(VR)、ユーザの物理空間に重ねられた情報、3D環境が含まれます。これらの機能はGoogle GlassやOculus Rift等のデバイスを通して利用可能になります。

ここ2、3年の間に拡張現実(AR)技術は驚くべき成長を示してきました。マーケット調査によると「ARとVRのマーケット」は年率15%成長し、2018年までに100億円となると予測しています。

この技術は学生がレッスンにより熱中することができる拡張教育アプリとして教育現場に急速に広がっています。Aurasma(AR開発アーム。HP社)の利用者の20%が教育者と学習者です。我々は間もなく学生教育を豊かにするARアプリケーションを目にすることになるでしょう。

David Cearley (vice president and Gartner Fellow)は次のように述べています。

クラウドコンピューティングのイラスト(クラウド上のサーバからモバイル、ラップトップ、デスクトップなどの各デバイスへ双方向の矢印が伸びている)「クラウドコンピューティングはメジャーな技術トレンドであり、それはここ2年でマーケットに浸透してきた。従来、ITは個人やビジネスに対して、伝統的なソフトウェアとハードウェアのライセンスモデルの制約を減らしながら、どのようにしてサービスを得るか、または配信するかを、選択する必要があった。クラウドコンピューティングはそのITに対する新しいアプローチを提供する。」

クラウドコンピューティングは、ユーザがどのようにアプリケーションや情報やビジネスサービスにアクセスするかのすべての局面において驚くべき可能性を持ちます。

eラーニングに関しては、クラウドコンピューティングは主にLMSに適用されます。これによって、真の意味で、SaaS LMSは重要になります。利用するLMSはたった1つのバージョンだけとなり、すべてのクライアントがそれを所有し、高度なセキュリティとデータを持ちます。クラウドLMSプロバイダーはサーバ環境と自動更新、フィックス、拡張等すべてのクライアントに対する新しい能力を持ちます。

導入した組織はLMSの発展と改良を楽しむでしょう。クラウドベースのLMSはTCOの削減をももたらす可能性があります。

Paul Signorelliによれば、「ウェアラブル技術は(未だβフェーズであるにしろ)より挑戦的で創造的な同僚らによって既に学習において利用されている。Google Glassに準拠したあるツールは、学習の場の範囲を広げるという潜在能力を持つ。教育担当者と学習者がGoogle Hangoutsや別のビデオカンファレンスツールを通じて会話し、その学習セッションが記録され、ライブセッションに参加できない学習者に対して利用できるようにアーカイブされる。それは、既にオンサイトと学習者と学習機器を接続するために提供されているタブレットに対して付加される。」とのことです。

“while-you’re-doing-it” appとしてのウェアラブルeラーニングは激しい競争にさらされています。その1つはsmartwatchです。その小さな画面はモバイルラーニングには適してはいませんが、高いパフォーマンスのより直接的なアプリケーションを持っています。例えば、作業員が作業を間違った時に、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、圧力センサーのような動作センサー技術を通して、迅速に警告を送ることができます。この時計でのラーニングは、Bluetoothヘッドセットを通して行う双方向の仮想コーチングセッションに非常によく似ています。

アディダスは消費者向け教育において、仮想コーチングプロダクトであるmiCoach Smart Runを使って既に実施しています。消費者向けモバイルデバイスによって、拡張ブレンドデッドラーニングのニーズが増えそうです。それらはまったく新しい方法で、学習者を引き込みます。

角帽を被った大学生のシルエットのイラストedXのCEOであるAnant Agarwalによると「多くの学生はMOOCsを通じて高度な教育にアクセスしている。私は、これが普通になることを期待する。2020年までに少なくとも世界中で1ダースの大学がMOOCのコンテンツだけで大学の学位を与えるようになり、学生は認定書を得るだろう。MOOCsも履修証明を出すだろう。2020年までに最初の1年をオンラインコースで学んだ学生が大学に入学するのを目にするようになるだろう。」と予想されています。

モバイルフォンの普及(より大きな帯域幅、より低いコスト)、自己生成能力の増加、ビデオ配信サービスの強力な実装によって、ここ2、3年の間にMOOCsが台頭してきています。

インストラクタは今、3千人の学生に対してブレンデッドラーニングコースを制作し、配信する能力を持っています。MOOCsはインストラクタに、講義を記録し、編集し、学期を超えて配信する能力を提供します。

MOOCsはまた企業に対して自身のペースで学習、グループワーク、ソーシャルラーニング、仮想イベント、ビデオ、リソース、アセスメントを行うことを可能にしています。さらなるパーソナライズ化と細分化が加わり、MOOCsは“グローバルクラス”と呼ばれています。

ビッグデータはeラーニングでの様々な要因を分析する助けになります。フォーブスの記者Raj Sabhlokは「正しいデータと正しい時間はストレスを低下するだけでなく、生産性を向上させる。会社にとっても同様である。」と話しています。

彼は、ビジネスはデータをニーズに合うように並び替えフィルターすべきであると信じています。

ガードナーは「『進化し広がり目に見えない分析』が2015年のtop 10 strategic technology trends の1つである。」と言います。それ自身と関連する複数のトレンドの両方の潜在的な能力として。分析論は、埋め込まれたシステムから生成されるデータが増大するにつれて重要な役割を占め、企業の内外の構造化された、または構造化されていない膨大なデータを分析する。」と話しています。

David Cearleyによると「すべてのアプリは分析アプリである必要がある。」「組織はIoTからもたらされる膨大な量のデータをフィルターするためのベストな方法を管理する必要があり、ソーシャルメディア、ウェアラブルデバイスを、それから『正しい情報』を『正しい人に』『正確に』『正しい時間に』配達する必要がある。また分析はより深くなりつつあり、見えない形であちこちに埋め込まれている。」とのことです。

パーソナライズ化された学習は、学習者が自身で学習を管理することができます。それにより、学習者は自身が望む方法で、何を学ぶのかの完全な理解を得ることになります。また、カリキュラムを自由に組み替えることができる、ということでもあります。

分析者達のほとんどがAIシステムを利用して分析を行います。テクノロジーの利点は、学習者自身でコンテンツを使うことができて、特定分野の技術の専門家になれること、そしてコンテンツを作ることができることです。

パーソナライズ化された学習は、学習者の能力に応じた学習ペースにフォーカスしています。

オーサリングツールまたはeラーニング作成ツールは、eラーニングコースを開発するためのソフトウェアです。技術的な進化、コスト削減、迅速なオーサリングツールの選択枝の広さは、L&D専門家が自身のコンテンツを作ることを可能にします。Articulate Storyline 2 のリリースとその増加する機能は、In-House Content Authoringが成長するトレンドである事実に拠っています。

多くの組織は自分達でeラーニング教材を作ることによってトレーニングコストを削減しようとしています。いくつかの組織は、インターネットやイントラネット上で利用するためのカスタムコンテンツを制作し出版するためのオーサリングツールを欲しがっています。その間、他のユーザはRapid Learning solutionsのようなサービスを通じてクリティカルな情報を素早く配置するツールを探しています。

手作りコンテンツオーサリングは簡単に聞こえるかもしれませんが、実際は初期のブログで議論したように各々のオーサリングツールは多くの機能を提供し、ベストフィットするためのトリッキーなタスクです。

Andrew Crisp (Director of CarringtonCrisp a UK based)は次のように述べています。

技術はビジネス教育に劇的な効果をもたらす。フレキシビリティは考慮すべき重要なテーマである。それはいつでもどこでも彼ら自身のペースで学習することができる、ということである。我々はこれを “ライフスタイルラーニング”と呼んでいる。生活にフィットした方法で学習する能力である。

L&D部門は、仕事と家庭の両方で学習を継続できるテクノロジーに注目しています。ほとんどの学習は、忙しい人の日常に簡単に取り入れられるように、短いビデオ、1頁ドキュメント、凝縮したレッスン、バイトサイズの情報やその他フレキシブルなアクティビティとして配信されることを期待されています。学習の負荷をより軽減することを考慮しなければなりません。

2015年、組織はソーシャル、インフォーマルで創造的な方法を通して学習者と接続する新しい革新的な方法を探していくでしょう。そして、それは学習の場を広げ、生活の中に学習が入り込んでいくことでしょう。